交流教育

交流及び共同学習

本校の交流及び共同学習は、学校間における交流と地域における交流をそれぞれの目的に応じて実施しています。

 

1 学校間交流の目的

 (1)同世代の生徒及び異世代の児童との交流を通して、互いを理解し、助け合いや支え合いをして生きていくことの大切さを学ぶ。

 (2)間接的な交流と直接交流を通して、同世代の生徒及び異世代の児童の活動の様子を見たり触れ合ったりするなかで、共に学び、

    高め合う。

2 地域交流の目的

 (1)地域の方々とともに活動するなかで、相互扶助の経験を通して協同の大切さを学ばせる。

 (2)学校で学習した内容を、社会の中で活用する経験を通してより確かな力に高める。

 (3)地域の人々とのふれあいを通して、卒業後の就労に必要なコミュニケーション能力を実践的に育成する。

 

 3 学校間交流・地域交流の様子

【1】学校間交流の様子

 (1)石和東小学校との交流

①サツマイモの定植

 農業生産コース2年生12人が、石和東小学校へ出向き、1年生27人にサツマイモの定植を教えるという交流を行った。本校の生徒は、どのように伝えればわかりやすいかを考えて準備や練習をし、当日は話し方やかかわり方を工夫して、畝立てから定植まで一緒に作業ができた。

 石和東小1年生が説明を一生懸命に聞く姿や自分たちを頼りにする姿に直接触れることで、自己有用感を感じられた。また、工夫して作業の準備をしたことで1年生が正しく理解して上手に定植ができ、充実感や達成感を味わうことができた。

 石和東小の1年生からは、絵と文で書いた感想や収穫したサツマイモに関する手紙を送ってもらった。生徒は、自分たちの関わりに対する反応を知ることができ、自分自身を振り返る機会になった。また、多くの感謝の言葉を受け取ることで、充実感を味わうことができた。

サツマイモの苗植えの説明

サツマイモの苗植え

 

②買い物学習

 石和東小学校2年生27人が、本校の桃花ダイスキマーケットに合わせて来校し買い物体験をした。サツマイモの定植で交流をした本校農業生産コースの2年生が中心となり、会場準備をし、児童の案内、販売、接客を通じておもてなしを実践した。

あらかじめ児童から注文をとり、パンや焼き菓子、野菜を確実に購入できるよう準備をした。また、小学生が買いやすいサイズや価格にした商品も用意した。

 本校生徒は、小さなお客様への接客の仕方を工夫し、児童の視線やペースに合わせて、優しく対応し、関わりを楽しみながら交流することができた。

 生徒は自分たちの作った商品が喜ばれる様子を見て、やりがいを感じることができた。

 児童が商品について家族に話をすることで、本校の取組の様子が自然に地域に広がり、地域に根ざした学校となる基礎となっている。

桃花ダイスキマーケット

桃花ダイスキマーケット

 

③花苗の植栽、清掃

 石和東小学校6年生23人が、植栽及び窓ふき体験を 行った。

 各グループに本校環境メンテナンスコースの生徒が加わり、窓清掃の実技や、花苗をプランターに寄せ植えする方法を伝えた。

 本校生徒は、6年生に活動の手順や楽しさなどをどのように教えたらよいのか、何度も悩んだり考えたりしながら、交流会に臨んだ。その結果、児童の興味を引く取り組みややりとりを行うことができた。スクイージーできれいに窓ふきができた喜びが伝わる感想等により、本校生徒は相手に合わせたやり方で教えることの大切さを学ぶことができた。

窓ふき清掃

プランターへの植栽

 

(2)笛吹高等学校との交流

①笛吹祭での交流

 4年ぶりに笛吹祭に本校生徒会役員や学級委員長が参加し、同年代の生徒のエネルギッシュな舞台を食い入るように見つめていた。「自分たちも同じように舞台発表をしたい」

 「9月に行われる本校の学園祭でもやってみたい」等意欲的な感想が聞かれた。展示見学は、笛吹高校の生徒会長に案内してもらい、交流を深めることができた。美術部は、今年度も作品展示という形で参加させていただけたことで、来場した方々に本校美術部の作品を観てもらうことができた。感想ノートには、来場した方々から「優しい色合い」「立体作品がかわいくて工夫されている」といったコメントを寄せていただいた。

美術部作品展示

笛吹高校生徒会長が案内

 

②部活動での交流

 4年ぶりに本校合唱部が笛吹高等学校フォークソング部 と学校間交流を行った。まず、互いに日々の練習成果を発表し合った。その後、チーム対決イントロクイズをしたり、笛吹高校の生徒さんのギター伴奏に合わせて、『怪獣の花唄』を歌ったりして交流を深めた。同世代の高校生が場を共有し、音楽を通して交流ができ、とても有意義な時間となった。

 また、本校の学園祭に笛吹高校美術部の作品を展示し、見学した生徒が感想をノートに書き、笛吹高校美術部に送った。美術部は学園祭での作品による相互交流ができ、お互いの作品制作に大きな刺激となった。

合唱部とフォークソング部との交流

 

(3)その他

①やまびこ支援学校との交流

  やまびこ支援学校高等部サービス班と本校食品加工コースカフェ班が、オンラインにより交流を行った。喫茶運営について紹介し合い、実際の接客の様子を見学した後、お互いに質問をし合って学び合うことができた。また、本校の焼き菓子をやまびこ支援学校のカフェに提供する契約を結び、 定期的に製品を納品する取組もスタートした。互いの理解を深める機会として今後の交流についても検討をしていきたい。

やまびこ支援学校との交流

 

【2】地域交流の様子

(1)「桃花ダイスキマーケット」

 桃花ダイスキマーケットを5月から2月にかけて7回行い、また、11月には桃花ダイスキマーケット「秋の大収穫祭」を開催した。

 来場者の多くが学校周辺の地域の方々であり、回覧板でマーケットのチラシを配付したり、前日に広報委員会の生徒が中川地区に放送したりして地域の方に告知をした。マーケットも本校も地域の方に周知されてきたように感じている。生徒が「以前も来てくださった方」と認識できるような常連様も多くなっている。また、知り合いの方に紹介されて初めて来場した方もおり、今後も来場者は増えていくことが期待される。

 本校の生徒にも「全校でお客様をおもてなしする日」という意識が定着し、校内整備や立ち振る舞い含め、全校でマーケットに向けて準備をすることができた。

 生徒が丁寧に育てた野菜や、工夫して製造したパン、焼き菓子を地域の方々に購入していただくことを通して、生徒の学習の成果を知ってもらう良い機会となった。毎回お客様アンケートを実施し、感想をいただいている。お客様の言葉が生徒達の励みとなっており、より良いマーケットにしていこうという意識が育っている。

野菜の販売

パンの販売

桃カフェ

桃花ダイスキマーケット「秋の大収穫祭」

 

(2)ブドウのかさかけ

 1年生の農業生産の授業において、本校農場の隣にある藤巻農園でブドウのかさかけ実習を実施した。農園の方にブドウにかさをかける意味やその方法を教えていただき、体験し            た。手ほどきを受けたり、ブドウ栽培に関する質問をしたり等やりとりをしながら作業を行った。

 地域の世代の違う方と関わり、労働に対する意識や心構え等についてお話を聞くことで、知識だけではなく、精神的に得るものが多かった。

 ブドウの収穫時期には、生徒達がかさかけをしたブドウを藤巻様が本校に届けてくださり、自分たちの作業の結果を知ることができた。藤巻様には、生徒の感想やお礼の手紙をお渡しした。感想の中には、勤労の大変さや、苦労したからこその充実感、達成感について触れているものが多かった。

ブドウのかさかけ

 

(3)中川区文化祭への作品展示

 中川地区文化祭では、今年度も公民館の一室を借り、美術部の作品を展示させていただいた。会場に置いた感想ノートには温かい励ましの言葉が書かれており、生徒の励みとなっている。

中川区文化祭

 

(4)公民館清掃

 中川地区にある公民館周辺の清掃を1年生の環境メンテナンスの授業で実施した。授業で学んだ清掃に関する知識や技術を生かし、地域の人々と一緒に館内外の清掃に取り組んだ。

 また、プランターに花を植栽して設置をした。区長さんからは、「公民館がきれいになりありがたい」という言葉をかけていただけた。生徒達は、温かな言葉に励まされ、自分の活動が地域や社会に役立つということを実感することができた。

公民館清掃

植栽したプランター

 

(5)老人クラブ「けやきの会」との交流

 4年ぶりに中川区の老人クラブと交流会を実施した。食品加工コースの生徒が中川区公民館に伺い、茶話会をした。本校の学習の様子を説明をする際には、けやきの会の方々が優しく耳を傾けてくださり、やりとりをしながら和やかな雰囲気で会をもつことができた。生徒の良いところをたくさんほめていただき、共に楽しい時間を過ごすことができた。

「けやきの会」との交流